「私はデキが悪いから、うまくいくはずない」
心の中で、自分自身に対してこう言ってしまったことはありませんか?
また
「お前はできないから、ダメな奴だ!」
このような言葉を、誰かから投げかけられた経験は?
これらの言葉、あなたは何の気もなく使っているでしょう。
「できない」という言葉に、それほど大きな力があるとは思っていないでしょうから。
ですが
「できない」に代表される否定の言葉は、扱い方に注意しなければなりません。
人間は言葉を使って、限界という「枠」を作る
耳から入る言葉や心の中で発する言葉によって、人は「自分」を形作っています。
「自分は『自分が思い、願う通りの人物』になる」というわけです。
この関係を知ることで、他人からの評価を自在に変えることもまた可能です。
また、「できない」と自分にダメ出しをする真の理由。
それは、「しなくてもいい」という言い訳が得られるから。
ですが、この言い訳は自分の能力を勝手に制限することを意味します。
「なんてもったいない!」と私は思うのですが、あなたはいかがですか?
また、他人にかける言葉も、相手の人柄や能力に大きな影響を与えています。
小さい頃から親や学校の先生といった目上の人から「お前はダメな奴だ」と言われ続けたら、その子どもの将来はどうなるでしょう?
明るい未来は想像できなかったのではないでしょうか?
身近な方に対して言っているセリフによって、知らず知らずのうちに相手の持つ能力に限界を設定してしまう。
このような恐ろしい事態があちらこちらで発生しているのが、日本における子育てを始めとした人間関係の実態です。
本来の能力よりも低い段階で「限界」を作る理由
では、なぜ私たちは自分の持つ能力の限界に挑まないのでしょう?
その理由は、人間の歴史にヒントがあります。
昔、人間は過酷な環境で生き延びなければなりませんでした。
食べ物に不自由しなくなったのは、せいぜいこの数十年のこと。
世界を見渡せば、食べることに困っている方はまだまだ大勢います。
また、医療が発達するまで、病気にかかることで命を落とす可能性は今よりも格段に高い状態でした。
子孫へ命をつなぐために、実現する可能性の低い選択肢を排除していたという歴史が 人間にはあります。
自分が持つ能力の「限界いっぱい」まで発揮しなければ達成できない方法は選ばない。
それよりも、これまでに実績のある、より簡単な方法を使い続けることを選択する。
これが「できない」といった否定の言葉を用いて、無意識のうちに自分の持つ能力に制限をかけている理由。
失敗してダメージを受ける可能性がより高い選択肢を捨てるために、「これはできない」と自分や他人に言い聞かせているというわけです。
「命を守るために、行動することによる変化を起こさない」が、人間がこれまでに採用していたやり方。
つまりは「生き抜くための省エネモード」というわけです。
ですが、今は様々な環境が整備され、生きることは格段に「楽」になりました。
「今日を生き延びるために、私はどうすればいいのか?」
こういったことを毎日、真剣に考える人は、そう多くはないでしょう。
また、生まれや身分によって選択肢が限られるといった話も、ほとんど聞かれなくなりました。
完全に消滅したわけではありませんが、日本に限って言えば選べる範囲はグンと大きくなったのです。
このような恵まれた環境下にある私たちは、無数にある選択肢から何でも自由に選べます。
ただ、人間の歴史が持つ「できない」という言葉の持つ「呪い」がまだ存在していると、思い込んでいるだけなのです。
言葉の持つ「負」のパワーに気を配ろう!
「できない」という言葉は、人間が本来持っている能力に制限をかけます。
それは、自分であっても他人であっても同じことです。
「できない」といった、否定の言葉が持つ力の影響を受けにくくするために心がけたいこと。
それは「使う言葉を選ぶ」です。
たとえば、「できない」と言い切るのではなく
- 「ハードルが高い」など、言葉を置き換える
- 「〇〇がクリアできれば、実行できる!」と、実現する道筋を表す文章にする
といった「言い換え」をするのは、とても効果的です。
また、他人が使う言葉に惑わされないことも、非常に重要です。
目の前にいる相手は今、あなたが知った「負の言葉のパワー」を、おそらくは知りません。
なので、毅然と「No!」を返さざるを得ないシーンもあるでしょう。
ですが、この拒絶は何よりも大切な「あなた」のための、いわば自衛手段。
相手の言葉遣いに引き込まれることなく、しっかりとあなたを守ってください。
ちなみに、テレビやネットに関しても似たようなことが言えます。
我が家が決めている視聴ルールがあるので、また後日、改めて書きますね。
【2019年9月21日追記】
「我が家ではこうしています」を書きました。
子育て家庭のパパやママを始めとした、テレビ・ネットとの付き合い方に迷う方にぜひ見てほしいです。